オシロスコープとは、電気信号(電圧)の時間経過に対する変動を測り、グラフ化して波形として画面に表示して観測する測定器のことです。
どのようなグラフなのでしょう? 身近でよく見かけるグラフを例にあげます。株価の日毎のトレンドグラフを新聞や株価サイトでご覧になったことがあると思います。このグラフはその日の株価の終値を日毎にプロットした折れ線グラフです。言い換えると、株価の時間経過に対する変動をグラフ化したものです。言葉にするとオシロスコープのグラフとちょっと似ていますね。そのほかにも、1 日の気温変化のグラフ、毎年の人口数変化のグラフ、毎月の売上高推移のグラフなども時間経過に対する変動をプロットしたグラフです。これらの皆さんがよく見かけるグラフは横軸が時間軸になっていて時間の経過を表しています。縦軸が株価、気温、人口、売上高などの値を表しています。オシロスコープの表示するグラフ(波形) も横軸が時間軸なのです。縦軸が電圧値です。似ていますね。オシロスコープの表示波形の意味をちょっと想像できたと思います。
時間経過に対する変動をプロットしたグラフの例
実際のオシロスコープの表示波形の例
電圧値は一定値(直流)から高い周波数まで、用途によってさまざまな周波数や形状で変動します。直流電圧といえどもノイズなどの成分が重畳している場合が多いので実際には変動しています。
これらの変動する電圧を波形として観測するためにオシロスコープを使用します。観測した波形が予期 していた適切なものなのか、それとも予期していなかったトラブルによるものなのか、などを判定することで、製品開発時のデバッグや製造ラインでの動作確認検査などに役立てることができます。
現在のオシロスコープはデジタル化され、ほぼすべてがデジタル・オシロスコープとなりました。デジタル・オシロスコープが動作する仕組みを簡単に紹介します。入力された電圧(アナログ量)を A/D(アナログ/デジタル)変換器で一定間隔でサンプルし、デジタル化して数値データとして取り込み、データ処理回路がメモリに書き込んでいきます。所定数のデータを取り込んだら、それらのデータをデータ処理回路で処理して、横軸が時間、縦軸が電圧のグラフ(波形)として画面に表示します。一連の動作が終わったら、引き続き同じ動作を繰り返して新たな波形を表示し続けます。
波形を表示するまでの繰り返しの速度を波形更新レートと呼んでいます。最近のオシロスコープの波形更新レートはとても速く、表示器のリフレッシュレートを超えています。波形を 1 本ずつ表示回路に送ったとしたら、実際に画面に表示される前に次の波形で更新されてしまい、観測することができない波形が生じてしまいます。今のオシロスコープは、一定時間が経過するまで複数の波形を重ねて表示し、一定時間以上経過した波形から順次消去していく表示方法で、取り込んだ波形データを無駄なく表示できるような工夫がしてあります。
オシロスコープのブロック図
オシロスコープの性能の指標として主なものに、チャンネル数、周波数帯域、サンプルレート、メモリ長、波形更新レート、があります。簡単に説明します。
l チャンネル数:オシロスコープで同時に観測できるチャンネルの数です。一般的には 2~4 チャンネルです。
l 周波数帯域:どのくらい高い周波数まで測定可能であるかの指標です。多くの場合は入力端子からAD 変換器までのアナログ回路の性能に依存します。
l サンプルレート:AD 変換機がAD 変換するレートです。変換間隔の逆数になります。高速なほど高い周波数の電気信号を歪めることなく忠実にデジタル化することができます。
l メモリ長:同じサンプルレートならメモリが長いほど観測できる時間範囲が広くなり、同じ時間範囲ならメモリ長が長いほど高速なサンプルレートを使用できるので時間分解能が向上します。
波形更新レート:波形を時間当たりどのくらい更新して表示できるかの指標です。波形更新レートが高いほど発生頻度の低い稀な現象を観測できる確率が上がり、突発的な異常現象などを観測しやすくなります。
これらの指標について、リゴルのオシロスコープは他社の同価格帯のオシロスコープを上回る性能を備えています。弊社のホームページをぜひご覧になってください。お客様の用途に適したオシロスコープをお求めやすい価格で見つけることができます。
https://jp.rigol.com/products/oscillosopes.html
リゴル MSO5000 シリーズ オシロスコープ
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